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第5章 悪魔エレインとアデル

「何をするのです!?」
不安と怒りでシャロンは訪ねた。
「シャロン、ここは魔界だ。我々は従うしかない。」
「そんな……。」
「相変わらず物分りのいい答えをするな。貴様には一度、助けを呼びたくなるほど痛めつけてやりたいものだ。」
アデルはそう言うと、何も無かったこの部屋に様々な道具や椅子、台などを一瞬で揃えた。
「人間が使ってるような物では足りないんじゃ無いかしら？」
エレインが口を出すとアデルはエレインを睨む。
「先ずはレオナにこの首輪を付けたいわ。私の魔力が込められているの。」
「まるで、お前ならレオナを好きに出来る様な言い方だな。」
アデルは怒り心頭な声で言う。
「悪魔は二人揃うと喧嘩が耐えないな。今日は試しにエレイン主導でやってみるのはどうだ？」
「貴様に口出しする権利は無い。」
アデルは近くにあった鞭で思い切りレオナを叩いた。
「なかなか面白い事になっているようだが、三角関係も悪くない。」
愉快そうな魔王の声が天井から聞こえる。
「魔王様、申し訳ありません。」
アデルは一瞬恐怖を感じて謝る。部屋の外から覗いている悪魔達がまだかまだかと騒ぎ始める。
「ほら、アデル。そろそろ始めないと、この部屋壊れるわよ。」
「そんな弱く出来ていない。」
レオナは今日はこのまま何も無く終わるのではないかと内心期待が走る。アデルとエレインは相性が悪いのか、本格的に喧嘩を始めた。
レオナはシャロンを抱き上げて、部屋の隅へと移動すると、二人の成り行きを見守った。