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呪縛
第6章 上級悪魔エレイン
魔王がいい加減にしろと二人の悪魔を叱りつけると、二人共魔王の部屋に来る様に言った。
そこへ1人の悪魔が現れる。彼はレオナとシャロンの元へ来ると「魔王様の命により、お2人にはエレインと共に特別な術が施された屋敷へ移動していただきます。」
「では、今までの……。」
「はい。今後天界から来た天使は全て奴隷として我々悪魔の供物になるでしょう。貴方の飼い主はエレイン様に決まったようです。今後は天使の姿すら見る事は無くなるでしょう。」
ニヤリと笑ってその悪魔は言うと、転送術で2人を飛ばした。そこは真っ暗で何も無い部屋だった。そこへエレインもやって来る。手に持っているのは二つの首輪だった。
「聞いたわ、レオナは本来天帝を補佐し、神とも対等に話せる権限があったらしいじゃない。天帝と神を結ぶ大切な架け橋。そんなもの地上にポイ捨てしちゃって、今天界はどうなってるのかしら。」
「……。」
レオナは無言のまま、シャロンを抱きしめる手に力を込めた。
「魔王様は私に貴方の飼い主になる事を命ぜられたわ。こんな嬉しい事って無いわー。ウフフ。今日から貴方は私のモノ。たっぷりいたぶって可愛がってあげる。」
そう言うとエレインはレオナをシャロンから引き離し、そのまま押し倒すと、持っていた二つの首輪のうち、内側に特殊な棘のある方をレオナの首に付ける。
「うっ。ぐっ……はぁ……。」
首輪の留め金を留めるとその部分は溶けて繋ぎ目が無くなり、周りに飛び出ていた部分がレオナの首に突き刺さる。少し内側に出ていた棘は実は少し長い釘だったのだ。レオナの首の下から血が滴り落ちる。シャロンはそれを見て思わず喉を鳴らし、ハッと我に返ったように不安な表情になる。
「羽をもがれ、堕天使の血を飲んだ貴方は人間が言う所のヴァンパイア。吸血鬼、それともドラキュラ?クスクス。血を飲みたいのは本能よ。これからは私がじっくりと楽しませてあげるわ。でもその前に、この首輪は不完全なの。だから、ちょっと待っててね。」
レオナの瞳に一瞬恐怖が浮かぶ。
エレインはレオナの首輪を床に押し付けるようにして呪文の様なものを唱えると、レオナは急にもがき苦しみの表情を浮かべる。
エレインの手は首輪からレオナの胸へゆっくり移動し、突然グサリとレオナの胸に手を突き刺すとレオナの魂を握り呪文を唱える。
その間レオナは苦しそうに息をする事しかできなかった。
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