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おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡
第8章 暗雲

「飛ぶのよ。こうやって……ね!」
「うぉっ……!?」
 
 僕とソフィの体が、急に浮かび上がった。

 ふわふわと前に、ついで上に移動し、アパートの吹き抜けを器用に通り抜ける。ついに、屋上の上に浮かんだ。

「あ、あぁ……なんだこりゃあ……!」
「だから、飛んでるんだってば。正確には、上向きの動力をかけて、体を浮かせているんだけど。……準備はいい? 時間ないし、飛ばすわよ!」 
 
 その刹那、僕たちの体が強く前方に加速した。
 
 言うなれば、大砲から撃ち出されたような勢い。

「う、うぁぁぁぁぁっ!?」

 はるか下の地面に見える建物が、ものすごい勢いで後ろにすっ飛んでいく。もちろん、実際には、僕たちがそのスピードで飛んでいるのだ。

 向かい風で、顔の肉がぶるぶる震え、髪がぼっさぼさに――なるかと思ったんだけど、なぜか、そんなことはない。風ひとつなく、空中を快適(?)に突き進んでいく。

「すごいでしょう? 向かい風も、念動力《サイコキネシス》で散らしてるから。寒くないし、あんたの髪型も乱れたりしないわ」
「さ、サイコ……それってさ、魔法って呼べるのかな?」

 むしろ超能力とかの類では、と僕は頭をひねる。 

「細かいことはどうでもいいの……よ!」
「ひええっ!?」
 
 ソフィが腕を強く握り、僕と頬が触れあうくらいに近づいた。

「こここここれっ、どれくらい速いんだ?!」
「音速にいったらまずいから、セーブしてるけど……たぶん、新幹線よりは早いわね。さ、もうすぐ着くわ!」

 ぎゅぅんっ! と、僕たちは急降下した。
 
 なんとそこは、僕の勤め先。 
 
 時刻は8時57分。ものの一分しかかかっていなかった。けっきょく、僕は遅刻せずに済んだってこと。
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