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おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡
第9章 お弁当と迷子
午前中、僕は電車に乗って、とある地域の家々へ営業へ行った。
というと仕事ができるみたいに聞こえるかもしれないけど、別にそんなことはない。僕はさして、営業のの仕事が上手いわけではなかった。あるときなんか、
「要らないから帰って頂戴!」
という大声とともに、目の前で玄関ドアがバタン! と閉じられてしまうしまつだ。
「……はぁっ」
けれど僕は、どこか上の空だった。むしろ、お客さんのそのでかい音で、自分が営業していることをようやく思い出したというくらいだ。
「……ここん家はダメか」
とぼとぼとその家の敷地から離れた。
僕が今日、こんなになってる原因は――いつもこんなんじゃないか、という話はひとまず置いておいて――先ほど、会社の人に言われた言葉にあった。
「犯罪に巻き込まれてるんじゃないか!?」
という言葉のあと、経理部の諸島さんは語ったのだ。
彼の親戚に起きた、とある事件らしいんだけど……。なんでも、その人は、とあるカルト宗教団体に家を乗っ取られたらしい。
でも、「乗っ取り」と言っても、無理やりに奪ったのではない。
本人はその宗教の「教義」に洗脳されていて、喜んで家を明け渡し、自分はその宗教の施設に入所してしまったのだという。しまいには本人の戸籍まで入れ替わり、彼の家は、日本語も離せない謎の外国人が跳梁跋扈する怪しげな拠点に化けてしまっていたのだとか。
嘘くさいような、怖いような……。
特に「カルト宗教」という部分にぞっとするし、肝が冷える。
けれど諸島さんは、親身になって色々教えてくれたし、あの人の言うことがまるきり嘘とも思えない。
「まさか。……で、でも……」
というと仕事ができるみたいに聞こえるかもしれないけど、別にそんなことはない。僕はさして、営業のの仕事が上手いわけではなかった。あるときなんか、
「要らないから帰って頂戴!」
という大声とともに、目の前で玄関ドアがバタン! と閉じられてしまうしまつだ。
「……はぁっ」
けれど僕は、どこか上の空だった。むしろ、お客さんのそのでかい音で、自分が営業していることをようやく思い出したというくらいだ。
「……ここん家はダメか」
とぼとぼとその家の敷地から離れた。
僕が今日、こんなになってる原因は――いつもこんなんじゃないか、という話はひとまず置いておいて――先ほど、会社の人に言われた言葉にあった。
「犯罪に巻き込まれてるんじゃないか!?」
という言葉のあと、経理部の諸島さんは語ったのだ。
彼の親戚に起きた、とある事件らしいんだけど……。なんでも、その人は、とあるカルト宗教団体に家を乗っ取られたらしい。
でも、「乗っ取り」と言っても、無理やりに奪ったのではない。
本人はその宗教の「教義」に洗脳されていて、喜んで家を明け渡し、自分はその宗教の施設に入所してしまったのだという。しまいには本人の戸籍まで入れ替わり、彼の家は、日本語も離せない謎の外国人が跳梁跋扈する怪しげな拠点に化けてしまっていたのだとか。
嘘くさいような、怖いような……。
特に「カルト宗教」という部分にぞっとするし、肝が冷える。
けれど諸島さんは、親身になって色々教えてくれたし、あの人の言うことがまるきり嘘とも思えない。
「まさか。……で、でも……」