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おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡
第9章 お弁当と迷子
「前世」だなんて、そんなふわふわした言葉、最近あまり聞かない。
まるで何かの宗教みたいだ。僕は、ちょっと、ぞっとしてしまう。
「いや、そういう設定を知りたいんじゃなくて……」
「! せ、設定なんかじゃない! 本当の事よっ……兄貴は、兄貴は……私の事を、助けてくれたじゃない! それとも、その事さえ……忘れちゃったっていうの……!」
みるみるうちに、ソフィは涙声になる。目の端に、
きらっとしたものが溜まっていた。よく見なければ見逃してしまうくらい小さく、肩を震わせている。
「お、覚えてるとか、そそそそういう話じゃないような……?」
僕の顔が、あからさまに引きつってしまう。
「前世」だとか、そういうオカルティックな言葉はあまり好きじゃない。
僕の母だった人は、そういうのに騙されたのだから。
前世なんてものがあるとすれば、それは詐欺師の言葉の中にだけだと思う。
――その言葉がソフィの口から出てきたことに、僕は胸がチクっとするような痛みを感じる。
「そんな話は、あんま聞きたくないよ……。僕は、ほんとに。君たちの――」
「そんな話……ですって!」
ソフィはもう、誰が見ても分かるくらい、肩を大きく震わせた。勢いよく顔を上げる。
その眼には、涙がぼろぼろ溢れていた。
「あ……っ」
僕は、思わず体を引いてしまう。もしかして、大変な事を言っちゃったんじゃ……。
「兄貴は……兄貴は……っ
! 私を助けてくれた! 嘘なんかじゃないっ! 兄貴は私にとって、最高にかっこいい兄貴なの! なんで、なんで……忘れちゃってるのよっ。この、このっ……バカ兄貴!」
「う゛ぁっ!?」