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おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡
第9章 お弁当と迷子
「……あ、あはははっ」

 と、困り顔で答える僕。

 たしかに、姉も、妹達も、村でいちばんの美人で、やたらにみんなに好かれていた。特に、もちろん、男性には。

「でも、そんなに良い物でもないよ」 

 ――という台詞を周りで聞いていた姉と妹たちは、ちょっと泣きそうな顔になり、あるいは「は?」という顔になった。

「ええ!? わがままなやつだなぁ、どうしてだよ」
「だって血がつながってるから、美人でも結婚できないしね。あ〜残念残念」

 冗談めかせて言うと、友人たちは「なるほど」「その発想はなかった」「お前気持ち悪いな」と口々に言い始めた。

 一方、姉と妹たちは……

「弟くん……♡」
「あ、兄貴……!」
「お兄ちゃん……♡」

 微笑んだり、あるいは頬を染めたりしていた。 

 ……そんな風に、平和に過ごしていたある日。村に、ロシア兵が数人、隊を組んでやってきた。

 背中に銃を抱え、おおかた、最初から略奪目的だったに違いない。けれど彼らは、村に入る前に、もう行動を起こした。

 村はずれにいた、僕の姉や妹達の腕をつかみ、連れ去ろうとしたのだ。

「いやっ……!」

 悲痛な叫びをあげる妹。

 もし連れていかれたなら、どういう目に遭うか――火を見るより明らかだった。

「マリア!」

 僕は、姉の名を叫んで、彼、彼女らの間に割って入った。

 姉の名前だけ呼んだのは、妹は大事でないから――というわけではなくて、たまたま背の高い姉の姿が一番目に入ったのと、一瞬のことだったので、全員の名前を呼んでられなかったからだ。

 本当に、すべてが一瞬の事だった。

 僕は、胸に銃弾を撃ち込まれて倒れた。
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