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ただ愛されたかっただけなのに
第21章 再びの蜜月⑤
「何が食べたい?」

「何でもいいよ。
そう言うのが一番困るか…」

ビールと彼が食べたいリクエストを買い、彼のもとへ。

「お帰りなさい。お疲れ様。」

非日常の中の日常。
決して彼とは手に入らない日常。

ホテルに戻り、飲みながらまた沢山の話しをした。
尽きることのない会話。

ふっと今夜が最後の夜だと思い出す。
次にいつ会えるのかを思うと切なくなる。
泣かないようにしようと思っても、涙が溢れてくる。

口をついて出るのは彼への想い。
その想いを彼はそのまま受け止めてくれる。
重いとも、やめろとも、何も言わずに受け止めてくれる。
それはきっと、こんなに想っても超えてはいけないトコロがわかっているから。
夢が覚めたら私がちゃんと帰ることがわかっているから。
だからこそ、儚くて切ない想い。

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