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ただ愛されたかっただけなのに
第21章 再びの蜜月⑤
一緒にいる間、テレビは殆ど付けなかった。
お互いの好きな曲をずっと聴いていた。

最後の夜、彼に抱かれたい。
そう思う気持ちは口には出せなかった。
彼の気持ちを大事にしたいから。
やはり日付けが変わり、時間も時間だから先にシャワーをした。
そして彼も。
と言ってそのままベッドではなくまた座って曲を聴きながら話しをした。

彼の膝に顔を乗せ、しあわせを実感する。
そしてまた切なくなり涙する。
彼は優しく私の頭を撫でてくれてた。

「ね、抱いて?したいの…抱かれたいの…したくない?抱きたくない?」

言葉にしてしまった。

「そんなことはないよ」

そう言いながら、彼は動かない。
どうして?

「寝ようか」
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