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第36章 どうして今？

「聞いてもらって少し楽になった。
　ありがとな。
　そう言えば彼がいるって、上手くいってるってことか？」

「どうかな…
　けど、彼のことは愛してるから。」

そんなことを話しながら、ホテルを後にした。

「私ね、あなたのことは本気で好きだったよ。」

「知ってた」

そうなのね。
やっぱりちゃんとわかってくれてたのね。

不思議と英くんを裏切ったという気持ちはなかった。

「男がいる彼女とやり直せるの？」

「わからないけど、好きだから。
　俺が離婚出来るならいろいろ言うけど、離婚出来ないし、彼女は独身だからな。」

「そう…
　今度揉めても私を頼らないでね」

そう言い、彼の車を降りた。
なんで会っちゃったのかな。
私も抱かれたかったから。
昔愛した人に、抱かれたかったから。
けど、これで完全に終わったんだ。