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第16章 ついに他の女と

「抱いてない」

信じるかどうかは私の気持ち１つ。

「飲んだ、兎に角二人で飲み続けた。
　カラオケボックスに連れて行かれたけど逃げてきた。」

カラオケが嫌いな彼。
だから逃げてきた？
それとも密室の空間で何か胸騒ぎでもした？

「エロい生足は見たけど、それだけ。」

「そう…」

言葉が出ない。
飲んだだけ、そう聞いても他の女性と二人で会ったことに変わりはない。
胸の奥がぎゅっと掴まれたような、哀しさと苦しさ、切なさがあった。

「明日早いからもう寝るぞ」

そう言って電話を切られた。
時間的に、ホテルには行ってないはず。
抱いてはいない。
多分、キスもしてないと思う。
信じるしかない。
疑ったらキリがないから。