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愛おしい貴方・作品SS集
第14章 ミュンヘンでの悲劇(契約的・秘書2課)



何時も通りの穏やかな笑みに戻し、唇に指を1本立てて秘密というサイン。


それに陽菜さんは、首を傾げて不思議そうにしているが、答える気は一切無い。



「さあ、小鳥遊さんが待っています、歩けますか陽菜さん?」


「だ‥大丈夫」


まだ不安定な陽菜さんをサポートしながら、美波と小鳥遊さんが待つ劇場へと歩き出す‥
此処から劇場までは、そこまで遠くは無い、今の陽菜さんでも十分に歩ける距離。


少しゆっくりながらも劇場に辿り着き、表を無視して地下の‥‥Cross selsが使うSMクラブへと入った。


私は普通だが、陽菜さんはこの地下が不思議に見えるよう‥
ショーは全て終わっているが、後片付けをしているスタッフくらいは見える。


その横の通路を通り抜け、一番奥の個室の扉を開けた。



「雲母っ!
仁科さんが助けてくれなかったら、私‥私はまたっ!!」


「・・・
もう‥あんな思いはして欲しくは無い、本当に無事で‥良かったっ」


心配そうにソファーに座っていた彼が、陽菜さんを見た途端、彼女をしっかり抱き締め安心顔。


その向こうの美波も、私に向かって優しく微笑んでいる‥
そしてルークの姿は無い、やはり私の予想通り。



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