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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
◇
12月24日。
私達は荷物を沢山積んで、山の上にある展望台を目指す事になった。なんと言っても6人の大所帯だから、車はアウトドア用の大型車3台を確保し、ミュンヘンから行く私達と、本部遺跡に入ってから櫻澤さんとルークは合流する予定。
合流するのは簡単だよね、私達全員が本部遺跡の関係者なんだから、止める人なんて1人も居ない。指定していた場所に行けば、先に櫻澤さんとルークが車から降りて待っててくれたの。
「櫻澤さん、ルーク!」
「よう美波、また変わった事を考えたもんだな」
「考えたのは仁科さんなの」
「なるほど。仁科様はあの場所を知ってる」
「わーい主宰だぁ!」
「ご無沙汰してます主宰」
「みんな律儀に挨拶ですね。ついでに言えば、あの展望台は私の発案ではありませんよ」
「仁科でなかったら、誰があの辺鄙な場所に展望台を作ろうなど考えるんだ? 俺としては、そっちに疑問があるぞ?」
「まぁ、昔の話ですので……」
「つか、さむーーいっ!!」
みんな揃うとこんな感じ。
凄く賑やかになったでしょう? やっと全員が揃い、『みんな一緒』という目標は果たした。……まだやりたい事は残ってはいるよ、それでも櫻澤さんを含むみんなが居る場所が私の居場所、それは変わってない。
纏まりが無いのは相変わらずだけど、夕方迄に展望台に到着しないと面倒になると仁科さんが話を切り、それぞれ車に乗り込み、今度こそ展望台へと出発。
ハッキリ言えば凄い道だったし、雪もかなり深い。