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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
「やはり冬ですね、雪深く天候も変わりやすい。予報では大荒れにはならないとありましたが、山の天気は平地とは異なりますからね」
「まぁな、雪山登山くらいヤバいものはなし、よく行く気になったな仁科?」
「……気紛れですよ主宰、本当に只の気紛れです。最悪何があっても敷地内の事ですので、賢人共が手を回すでしょうから危険度は少ない」
「仁科さん確信犯だもの」
「なんだ美波も気付いていたのか」
「ま、まぁ……」
櫻澤さんはルークが運転する車から飛び出して、私と仁科が乗る車に飛び込んで来たの。多分櫻澤さんも怪しいと思ったから、こんな事をしたと思うのよね。
「美波も盟主ですよ。普段はあまり言いませんが、情報という点では私と同等に持っています」
「まぁ……個人行動をしない限りは」
「そうだったな。毎回美波の方が1歩引くから、分からなくなりそうになる」
「それは美波の確信犯でしょうね」
「…………」
そうだけど……。
私はまだ仁科さんのように、人に命令する事が慣れない。だから本部遺跡でも仁科さんがメインで私はサブ、幾ら同等と言われても、性格と経験値だけはどうしようもならない……筈。
少し真面目な話になってしまったけど、車は悪路を乗り越え展望台に到着。
大量の荷物を併設している宿泊所に運び込み、無人のせいで寒々としている部屋は、暖房を入れたけど追い付かないので、ほどよい温度まで私と仁科さんで力を使って温めた。後は暖房設備が活躍してくれるよ。