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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
「X'masツリー飾ろうぜー!」
「俺は食料だな」
「あ、私も本郷さんの方に回ります」
「自分は人数分の寝台の確保……」
「俺は宮野を手伝うか」
「私はその他の設備を見て来ます」
みんな役割を決めて独自に動くのは、日本に居た頃と全く同じ。
先ずは私と本郷さん。
◇
「ガスと電気は使えるな、水は……流石に氷っているか」
「予定して水を持って来ていますよね、それで足りるかな?」
冬だもの水の確保は大変なのよ、だって此処は氷点下の世界だよ? それに水道は無く、今時にしては珍しい井戸なんだって。
だから水だけは余分に確保して来たつもり。
「とにかく3日分に仕分けするか」
「今日が七面鳥で明日が鴨、明後日がスモークサーモンでしたよね?」
「あぁ、朝昼は簡単な物だったな、シュトレンにソーセージ、それと飲み物だったはず」
「マッシュポテトは欠かさずに……でしたね」
「ドイツはメインがボテトだからな。オーブンも使えるから、マッシュポテトを焼く事も出来る」
本当ーっに、ドイツってボテトが日本でいうお米変わりで、毎日付いているのが当たり前の世界。私は慣れたけど、やっぱりお米が恋しくなる時はある。こればかりは『日本人だもの』としか言いようがないわ。
「グリューワインの香辛料、チーズに塩漬けの肉、スモークした魚……こんなもんか」
「ですね。でも6人分って凄い」
キッチンスペースの奥に食料庫はあるんだけど、食料を入れたらほぼ満タン状態。多人数をナメてたかも?