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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
◇
「それにしても、ドイツのツリーってデカい」
「X'masはドイツが本場だ、それだけに気合いたの入り方が違うというところか」
俺と宮野は一番大きな部屋に、天井の高さまであるツリーの飾り付け中。
まさかこんな事をやるとは、俺でさえ思わなかったぞ? 宮野は楽しそうだがな。
「電飾バリバリなのは日本と変わらねー」
「X'masくらい派手に……それはどの国も同じだ宮野。特にドイツは年明けよりX'masが重要視される国だ」
「感覚が違うんだよなぁ……。アメリカはX'masも年明けも騒ぐってやつだったから」
「あっちは只のパリピ好きだろうが」
大掛かりな電飾を終え、細かい飾りをツリーに付けている最中なんだが、宮野のアメリカ話はあまり聞いた事が無いんだよ。俺は完全に離れていたからな。
「ラスベガスだったか」
「あの街は毎日がパリピだったよ主宰。そりゃ真面目な場所もあるけどさ、メインがカジノじゃん。俺もカジノの地下にあるCLUBに居たし、眠る事も知らずに享楽に走るってやつ?」
「アメリカンドリームなんだろうが、夢を追っても所詮は夢だ。堅実な奴には敵わない」
「だよなぁ……。俺って夢を見せる側だったから追うは無かったし、日中は真面目に大学に行ってたし、ラスベガスって言っても全く魅力無しだもん」
「それで良かったんだ。夢は見るものじゃない掴むものだ。宮野は何かしら掴んだんだろう?」
半分は空だが、出来上がったツリーの回りにプレゼントを置いていく。
それにしても、日本に居た頃から見れば宮野も成長したもんだ。