この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
◇
バタバタと重い荷物を持ち走り回るのが、大概の自分の役割。今も6人分の寝台を確保すべく、ベッドのスプリングマットを3つ重ねて持ち移動中。
「確か寝室スペースは3部屋、1部屋は八神様がお使いになるとして、残り2部屋をどう割り振りする?」
本郷と宮野は一緒、この2人は離す方が面倒になる。
残るは仁科様、櫻澤、自分。櫻澤も本郷達と同じにし、仁科様と自分で割り振るべきか?
「こういう時は困る」
身に付いた仁科様との上下関係が簡単に抜ける筈も無く、今更同じ扱いを受けても自分の方が戸惑うだけ。
仁科様も、八神様も、『今度はルークも一緒』と何度も言う。お気持ちは嬉しいが、立場を考えてしまうと、とてもじゃないがやりきれない。
盟主と賢人の立場、その差は天と地ほどの溝があると、自分は知ってるだけに……。
(自分は櫻澤達が羨ましいのだろうか?)
仁科様の方が隠していたとはいえ、対等に付き合える櫻澤達。自分は子供の頃からそう教育されて来たので、櫻澤様のようには中々いかない。だからなのか、羨ましいと思うのは?
「やれやれ、何呆けているんですか?」
「……? 仁科様?」
「1人ではと思い手伝いに来たんですけどね」
「それは……はぁ」
自分が持っていたスプリングマットを軽々と持ち歩き出す仁科様。ハッと気づき、残りのマットを持って追い掛けるが時既に遅し。
「昔と今では事情が違うんです、もう少し柔軟になりなさいルーク?」
「分かってはいますが……」
「では1つだけ……」
「??」
仁科様は自分に、柔軟になるコツを1つ教えてくれた。