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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
◇
「飾り付け終わりー!」
シンプルなこの施設に、X'masツリーが1つあるだけで、どうしてこんなにも華やかに見えるんだろう?
実のところ、俺ってこんなマジなX'masは初めてなんだ。
ガキの頃は誰も家に居なくてX'masとは無縁。あのババァの所はババァが1人で楽しむもので、俺達みたいな飼われた奴隷には縁が無いもの。そして調教師になってからも、X'masは調教ばかりで終わってた。
だから初めてのX'masに、俺はワクワクが止まらないんだって。
「施設と言っても、このメインの部屋と寝室っぽいのが数部屋、キッチンにバスルームと簡素だな。この展望台を作った奴等が寝泊まりしていた場所なのか?」
「そういうのは仁科に聞いてよ主宰。俺はこの広さでも十分、広すぎるよりマシに見える」
「宮野は相変わらずだ、もっと贅沢しても良いんだぞ?」
「俺、贅沢って分からねぇ……。ほら、元が元だからさ、ゲーム以外に思い付かないんだよぉー」
贅沢ってどうやってやるんだろう? そりゃさ、調教師なんかやって人気もそこそこあるから、金に困る事は無いけど、その使い道がいまいち分からないんだ。
アメリカの時は先行投資と、めちゃ使ったよ? だけどあれ、金額以上の性能だしオプションがデカいの。ああいうのは贅沢って言わないよ絶対。
(でも贅沢かぁ……)
今まで考えた事が無かった贅沢という言葉に、少しだけ惹かれたりして?
ほら、美波に何かしてあげたいんだよ、多分それが俺の贅沢だと思う。