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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)


飾り付けも寝台の確保も終わり、私と本郷さんで最後の調理と盛り付けした、イブの七面鳥を部屋へと運ぶ。

「うわぁー、大きなツリー」
「どう? 綺麗に飾ったよ美波ぃ」
「綺麗です宮野さん。こんな山の上でX'masツリーが見られるなんて素敵」
「外は埋まりそうなほどの雪だがな」
「あれ? スノーシューズが入っていませんでしたか櫻澤さん?」
「そんな物まで持って来ていたのか」

テーブルに七面鳥を置きながら私は考える。何事も供えあれば憂いなしなんて言う仁科さんのせいで、ルークが必要以上の物を揃えたのよ。スノーシューズもその1つで、極寒でも耐えられる防寒着とセットだった筈よ。

「夜になったら、外で星空を見るんですって。この山の上だったら満天の星空なんでしょうね」
「……それは保証しますよ美波」
「仁科さん」
「でなければ、わざわざこの場所を選んだ意味がありませんので」
「自分は冬に初めて来た」

仁科さんはルークと一緒だったらしく、私と櫻澤の話を聞きながら、この部屋に入って来たの。X'masに星空を見る、日本に居た頃は考えられなかった。でも今は簡単に実現出来ちゃうんだね。

「美波、ポテトとグリューワインは此処で良いのか」
「はい本郷さん。この部屋だけは6人が全員座れますからね」

片手に焼きポテト、片手に温めたグリューワインを持ち歩き回る本郷さん。他の料理もテーブルに置いて、私達のX'masパーティーがスタート。

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