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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)

「なんだ、俺が音頭かよ」
「そりゃ主宰だしー」
「普通に考えてそうじゃありませんか?」
「宮野、仁科、お前ら……。ん"、んんっ……では、ドイツでの聖夜に……」
『かんぱーい!!』
全員でグラスを掲げ、温めたグリューワインを一口……シナモンが効いていて、日本で飲むワインとは全く違った感じ。
「七面鳥切り分けるぞ?」
「私、お皿回しますね」
「自分も……」
本郷さんに私、そしてルークが、切り分けた七面鳥をみんなの前に回していく。流石に此処では初めから調理は出来ないので、仕上げ寸前の七面鳥のローストを持ち込みオーブンに入れ、やっぱり事前に作ってあったソースを温めて盛り付け。でも、でも、美味しそう。ポテトのオーブン焼き、ザワークラフト、サラダとシンプルだけど見た目が良いX'mas料理たち。
宮野さんなんて待ちきれずに七面鳥に突進してるし、櫻澤さんと仁科さんは何時もの言い合い中、ルークは食べながらもワインのおかわりを注いで歩き、私と本郷さんは味の話に夢中と、全員和気あいあいで楽しそう。
「俺、七面鳥まだ食う!」
「宮野、七面鳥は逃げませんよ?」
「宮野にすれば逃げるんだろう? 俺達の腹の中にな」
「食べ過ぎもなんとやらだぞ宮野?」
「七面鳥まだある、心配ない」
「もう1つあるから、大丈夫だよ宮野さん」
七面鳥1つで、此処までムキになれる大人6人。
性格も言うこともバラバラだけど、決して離れたくない私達。良いよねこういうのって、本当のX'mas休日みたいで楽しい。うんん、みんなが居る事が楽しいのよ。

