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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
「もう1つあるのー! それ先に言ってよ」
「言うと宮野ががっつくからだ」
「ひでぇー本郷さん!」
「まぁ正論だな」
「主宰まで本郷さんの味方?」
騒ぐ宮野さんに笑いながら、私はキッチンに置いてある、もう1つの七面鳥を取りに行く。でも、宮野さんって凄く食べるよね、日本に居た時からそうだったよ。
「八神様、自分が運びますから」
「別にいいのに……。これくらい私でも持てるから」
「こういうのは自分の役目」
「ルークも仲間なんだから、役目とかは関係ないと思う。私も仁科さんも積極的に動くし、誰が何をやるなんて決めていないもの」
んー、ルークは相変わらず、私と仁科さんだけには堅い。それは分かるけど、私はルークとも仲間としてやっていきたいのよ。
「はぁ、中々……。先ほど仁科様にも言われました」
「じゃあ分かるよね、上下関係ではなく横の繋がり。それが私と仁科さん……うんん、私達全員が望むものだって」
「分かってはいますが……」
「だから、これは私が持っていくね」
「あ……」
少し戸惑い気味のルークだけど、ちゃんと理解はしているんだよ? ただそれを上手く出せないだけ。……不器用なルークだもん。
七面鳥は私が持って部屋に運んだ。置いた途端に宮野さんの猛攻撃にはあったけど、その分みんなが宮野さんを攻撃するウインウインの関係ってやつ。
全員お腹いっぱいまで料理を楽しみ、形だけ整えたプレゼントを開いてまた騒ぐ。少しだけ日本に戻った気がして……なんだろうこの幸福感っていうの? やっぱりみんな一緒に居るせいかな?