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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
◇
「ワインで躰も温まりましたし、今日のメインに行きましょうか」
「星空だったな仁科?」
「えぇ、外で肉眼でもハッキリ見えますし、日中の間に巨大望遠鏡に仕込みし、宇宙からの星空も見えるようにしています」
「宇宙? マジ!?」
「それは凄いな。そこまで見えるのはそう多くはないんだぞ」
「流石本郷よく知ってる」
「意外に詳しそうですよね本郷さん?」
「防衛大の頃に天文学はやったな。面白かったのは覚えている」
俺も不思議だが、何故か天文学に興味が湧いたんだ。まぁ、今は衛星を使った管制システムもあり、そこそこ天文学は必須になってきていたという理由もある。
「此処の巨大望遠鏡も、一部個人所有の衛星とリンクしています。何処までも遠い星が見えますね、星空は嘘を吐きませんから」
「だが俺達が見ているのは、何万年も前の星かも知れんぞ」
「そうとも言います」
これは俺より仁科のほうが天文学に詳しそうだ。仁科の場合知識量が人の何十倍なんだか……。
そんなたわいもない話をしながら、外に出る為に全員防寒具を着用。アルプスだというのに今日は快晴らしく、綺麗な星空が見られそうだ。
「うわぁぁー、綺麗!」
外に出て一番始めに声を上げたのは美波。両手を広げ近くを歩きながら、この満天の星空を満喫しているよう。
「これはまた……。俺でも綺麗と言わさるな」
「本郷さんがロマンチック? でも分かるなぁー、スゲー綺麗だし」
「確かに綺麗な星空だ」
「昔はもう少し下でも見れた」
「時代の変化というやつですよ」