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愛おしい貴方・作品SS集
第18章 シークレット~お忍び~(禁断背徳)
それに待ち合わせ場所がね、早乙女邸から近く目立つ場所ということであの付属高の正門前だったの。
(あれから三年以上……もう私を知っている人は居ないけど心境は複雑かも)
奥の校舎を見て思う、やっぱり私には合わなかった場所だったって。まだ倉原していた頃にお嬢さま言葉と立ち振舞いは私に取って苦痛だった、そんな思い出しか付属高にはない。そろそろ忘れかけていたのに今頃思い出すなんて、私って本当に運がないとは思うよ。だけどそんな私が早乙女のお嬢さまでLittie Witchなんてやっているから余計に心境複雑なんだろうね……少しだけ捨てた過去だったのにと。
そんな事を考えて十分くらいかな? 私が居る場所に一台の知らない車が止まったの。
「よう嬢ちゃん待たせたか?」
「朔夜叔父様?! その……車が……」
「仕事向きのレクサスじゃマズいと思って変えて来たんだけどな」
「そ、そうですよね、叔父様のレクサスも目立つもの」
「まあな、さっさと行くぞ嬢ちゃんこんなところで悪目立ちもしたくないんだ」
「は、はい!」
そうだよ朔夜叔父様はこの街が地元だもんまだ知っている人が居てもおかしくないんだ。慌てて助手席に乗る私と車を急発進させる朔夜叔父様、でも……。
(これって変装なのかな?)
私と同じようなジーンズに前にも見たことがある革ジャン、それに仕事ではないから髪は下ろしていて更にサングラスという恰好。紀永もプライベートは丸っきり変わるよ、でも朔夜叔父様までだったなんて!