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愛おしい貴方・作品SS集
第18章 シークレット~お忍び~(禁断背徳)

一口にデパートとは言ったが早乙女邸近隣やクラスター本社付近はダメだろう、そう考えるとこの街より東京方面に向かうほうがよさげだ。普段は使うことすらないカーナビを引っ張り出し高級路線でも十代が着るような若者路線でもなさそうなデパート関連をチョイス。

「少し遠くはなるがこの辺りが無難だろ?」

嬢ちゃんはカーナビを見つめて少し考える素振り。

「こんなところがあるなんて……」
「来た事がないのか?」
「いつも車で通過するだけ」
「なるほどな、東京から近くも遠くもない複合施設だが比較的いいもんが揃っている」
「朔夜叔父様は行ったことがあるんですか?」
「何度かか、内数回は仕事なんだ」
「だから知っている」
「まあなぁ……。俺の場合商談や引き抜きにはなるが、中は気楽に買い物が出来るような雰囲気がよくて休日に来たことはある」
「じゃあここでいいですか?」
「ああ」

行先なく適当に車を走らせていたがハンドルを切り一路東京方面へ。可愛い姪っ子とショッピング、俺だって初めてなんだっ! 今まで紀永や遠藤と男ばかりだったからなぁ、多少浮ついた気分は仕方ないだろ? 嬢ちゃんの敬語を抜かせば……だが。

一時間ほど幹線道路を走り着いたのは複数のデパートをも抱える巨大ショッピングモール、大ざっぱな内装見取り図は記憶にあるので一番衣料品関係が集中している駐車場に車を止めた。

「こういうの久しぶり」
「たまにはいいだろ、気兼ねなく買い物出来るぞ」
「……うん」

本社に居るときより晴れやかな嬢ちゃんの顔、これは連れてきて良かったと思えるな。
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