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愛おしい貴方・作品SS集
第18章 シークレット~お忍び~(禁断背徳)
「やっぱり自分で買いますから!」
「なんでだ?」
「その……帰ってからの言い訳が……」
「あぁなるほどな、紀永より遠藤だろ?」
「うっ……」
紀永もそうだけど、遠藤さんのほうも朔夜叔父様と聞いたら絶対に突進していく。ラジカセの時でさえああまで朔夜叔父様に突っかかったんだよ、こんなのを見られたれたら……その後の展開が丸見え。
「それも心配すんな、事なきまで収めてやるから」
「どうやって」
「なに紀永を説き伏せれば遠藤も引かざるしかない、抜け道はあるんだよ」
「……なるほど」
「めったに出れないんだ、こんな大量買いもたまにはいい違うか?」
「……その通りです」
普段強気の遠藤さんの弱点それが紀永、遠藤さんも紀永のお小言というか言い分だけは素直に聞く。あぁでもオリバーさんの時は危なかったかな? ほら、握手を無視して返したあれ、私でさえハラハラしたもん。でもまあ……これくらいは大丈夫だとは思う、多分だよ多分。
それからはもう朔夜叔父様の独壇場状態! 始めは私が選ぶために前を歩いていたのにすっかりと形勢逆転、朔夜叔父様が私を引っ張って次々に店に入っては買っていくという。そのたびに私のほうはどうしていいのか分からず、溜まっていくのは買い物後の紙袋の山たち。朔夜叔父様って限度知らず? そう思うくらい買うのよこれが。簡単に頷いてちょっと後悔はしてる、もう少し渋ればよかったかもって。
結局何件回って朔夜叔父様は止まってくれただろう、両手に紙袋では足りずに大きなカートひとつ分を後部座席に詰め込んだの。周りのお客さんにかなり引かれたという自覚はあるよ私でも。