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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)
「偶然じゃないのか?」
「じゃなんで入って来た倉ちゃんに社長が対応したんだよ、それが納得出来ない……んだ俺」
「俺に言われてもな。確か堀之内部長が倉原を社長室へ使いに出していなかったか?」
「時々あるよ」
「じゃ顔くらい知っているんだ声をかけても不思議じゃない」
「それは……。高橋はあれを見てないから言えるんだっ!」
「見ていたほうにも問題があるだろう」
まさか今になって倉原の養護とは、世の中分からないもんだ。だがな助けて貰った恩もある、今日のところは結城への反論に回るしかないな。あれだけ反発した俺でも礼儀くらいあるぞ。
「あの時社長に見つかって近寄るなと怒られたよ」
「じゃあその時点で帰るべきではなかったのか?」
「そうだけど黒崎が……」
「人のせいにするのか? 結城お前一人でも帰れただろう」
「……高橋なんか変わったな」
「色々と吹っ切れたからだ」
「そっか……。俺だけなのか変に悩んでるの」
気持ちは分かるが首を突っ込まないほうがいい領域も存在する、そうかつての俺のように。会長ご本人は噂されているのと少し違ったが、睨まれれば……はあながち嘘じゃない。予想でしかないが暁がそうなんだろうよ。
(…………あれは?)
少し遠いがカフェスペースに座っている女性、あれは倉原じゃないか? そして隣に立っているのは俺を嵌めた五十裏だ間違いない。結城のほうは倉原だと気づいてない、いや気づけないのほうなんだろう。あの日倉原のプライベート姿を見た俺だから気づけた、向かい側に座るサングラスの男までは分からんが、だがもう一度だけ話をしてみたいとは思っていたんだ行くしかないだろう。