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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)

どうにか朔夜叔父様と五十裏さんの話は収まった、それは良かったよあのままじゃ私は本気で逃げていたと思うから。でもね、やっぱり逃げたくなりそうな人がもう一人こちらに歩いてくるのを見つけちゃったの。

(どうしていつも次から次へと……)

一つあれば連鎖的になにかがあるのは私の運の悪さなのかも、だって五十裏さんに加えて高橋さんまでって普通なくない!? しかもだよ、五十裏さんは高橋さんを罠に掛けた張本人、これって会ったら不味いを通り越してるでしょう!

「……五十裏さん引いて貰えませんか?」
「なぜ」
「今こちらに歩いてくる人のためです」
「なるほど、これは俺が不味い」
「は!? 高橋涼太か、俺も不味いだろおいっ」

五十裏さんは渋い顔で、朔夜叔父様はサングラスで分かりにくいけど驚いている様子。高橋さんは五十裏さんのことを気づいているはずなのに、真っすぐに揺るぎない態度でこちらに向かって来る。それに対して私は座ったまま高橋さんを見つめているだけ、それしか出来ないのよ。

「……久しぶりだ倉原」
「お久しぶりです高橋さん」
「それに……」
「…………」

変わらずに倉原と呼ぶ高橋さんに私は挨拶したげれど五十裏さんのほうは無言、それには高橋さんもいい顔はしていない、でも朔夜叔父様を社長とは気づいてない様子なのが少しだけ救いなのこれ?

「ここでなにかあれば更にお怒りを買いますから俺は行きますよ、ではまたいずれ」
「…………」

この状態で私が言ったように五十裏さんは引いてくれるほうを選んでくれたみたい、そのついでと言わんばかりに朔夜叔父様も一言も発する事なく席から立ちあがった、どうやら五十裏さんと一緒にこの場から離れる感じ。残されたのは私と高橋さん、それはいいよこのほうが気楽に話が出来るもの。

「とにかく座りませんか?」
「あ、ああ。だがあまりゆっくりもしていられないんだ、途中で結城と会ってしまい近くで待たせている」
「うそぉ、また結城さん!?」
「気づいてない様子だがな」
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