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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)
今の高橋さんを見る限り、クラスター本社に居た頃のとげとげしさも人を見下す感じも一切受けない。あるのはなんだろう……あの時に見れなかったやる気かな? いい方向に向いたんだね、紀永が考えた通りだよ。もう二度と朔夜叔父様達が介入することはないんだから自由にやればいいと思う、それこそ可能性を信じて。
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(誰なんだろう?)
高橋は俺にここで待てと言ってカフェスペースへと歩いて行ってしまった。行きついたオープンテーブル席には男性二人と女性一人の三人組、俺は見たことがない人達だから高橋が転職した会社の仲間なのだろうか? だからこそ俺を置いて行った……ライバル社の人間になるから。
「本当にクラスター社を辞めてよかったのかよ」
始めの頃はさ喧嘩別れをした高橋だからと俺も少々キツイこと言っていた、でも……時間が経つにつれて心には引っかかっていたんだ、これは高橋が望んだことなのかって。
だって社長と専務のいがみ合いに巻き込まれたという噂もあったくらい、あの退職は不自然だったんだよ! だけど再会した高橋にそんな事を聞くわけにもいかなく、どうしょうか迷っていた最中に席を外されてしまったというわけ。
(高橋が行ったら二人が離れた?)
残ったのは始めから座っていた女性一人だけ、その向かい側に高橋が座り話をしているよう。これだったら俺も混じれないか? 少しくらいいいだろクラスター社社員と名のならなければ大丈夫なはず。
そう思って二人に近づこうとした時、俺は意外な人に話掛けられたんだ。
「こんな場所でナニヲしてますカー結城サーン」
「は? え? オリバーさん!?」
「ショッピングモールですネーここは」
「オリバーさんこそどうしてここに?」
「ここ、いいものが沢山ある聞きました、違いますカー?」
「確かに近隣では最大で品揃えも豊富だとは……」
どこから現れたのかのオリバーさん、NASAからの派遣でクラスター社に来ているから気楽に話すことも出来ず、俺はいつもこんな状態。というかオリバーさんの片言日本語があまり得意ではないって言ったほうがいいんだろう、調子が狂うんだよこれ。