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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)


「本当に結城を待たせているんだ、その恰好で会うのは不味いんだろ?」
「確かに不味いですけど、ここには来ません……多分」
「来ない?」
「…………じゃあもう少しかく乱しておく? 美紀さん?」
「あ……」

え? オリバーさん? 結城さんはどうしたの?

「なんでー!?」
「ここに待ち合わせの相手が居ると聞いて……は建前で、あとどれくらい引き留めていればいいのか聞きに来たわけ」
「先手を打っていたわけか、先ほどのスマホだろ?」
「ええ、結城さんを引き付けてと私が頼みました」
「オリバー・スミス、美紀さんのボディーガードな。表向きはNASAの研究員としてクラスター社に来ていることになっている」
「はっきり言うの?」
「事前資料を見て、彼は美紀さんの素性を知っていると書いていたんだけどなぁ」
「合ってはいるよそれで」

だからってこうもはっきりと言うなんて思わなかったじゃない! 最近のオリバーさん少し意地悪だよ。そりゃ言い合いはするけれど……。

「……で?」
「うーん、もう少しお願いしちゃっていい? 高橋さんもそうだけど……はぐれちゃって」
「あーなるほどなー。了解三十分ほど連れ回してくるわ」
「結城も大変だなこれは」
「偶然だけど色々見られたから」
「それは俺も少し聞いた、かなり怪しんでるぞ」
「ですよね、怪しまれていて当然だもの。でも社内では一言もないんです、それが怖いとも言うけれど」
「一言もか……」
「はい。いつかは話をしなければならない、そう理解はしています……いつか」

結城さん、黒崎さん、桜井さん、この三人は絶対に話し合いは必要、今はまだ無理だけど落ち着いた頃に私のほうが覚悟を決めて話すとは思う。それまで心の整理が出来るかな? うんん、しなくちゃいけないの……早乙女美紀として。
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