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愛おしい貴方・作品SS集
第9章 あの日の夜の真実(契約的束縛)



日本に来てから私は、私の持つ全ての力を抑える事にした‥
自然の力・高い身体能力・古からの知識‥‥


普通の人間に見えるようにするには、余計な力は不要‥
賢人が勝手に付けた、この仁科悠人という名と共に、私は盟主の力の一切を封印してしまった。



「・・だというのに‥」


今の私は、美波という存在で揺れ動いている‥
愛おしい存在‥その為には、封印した力を使う事も、前に戻る事も厭わないと‥‥




刀谷邸近くで車を停め、普通を装い、正面ゲートのインターフォンを押す。



『・・どちら様でしょう』


「刀谷様にCross sels(クロスシールズ)からの使いとお伝え下さい」


『お待ち下さい‥』


ごく普通の対応‥
これ自体に文句は無い、使用人も仕事の内、刀谷の事‥使用人の扱いも酷いものだろう。


待ったのは5分か10分か?


インターフォン越しではなく、屋敷から直接使用人が姿を表した。



「主人がお会いになるそうです、どうぞ此方へ‥」


「ええ・・・」


鉄の門を開けられ、私は刀谷邸の中へと入った。



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