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裸身
第7章 挑発
『わぁ、やっぱ混んでんなあ。』

『連休でこれだけ陽気がよければ当たり前だわ。』

『そっか。梅雨が明けて、夏本番だもんな(笑)』

『でも、今日はすごしやすい気温でいい感じよね。』

『だね!さっ、順番が来たようだ。行こ、悦ちゃん!』




『どれくらい振りかしら。観覧車なんて、ずーっと乗ってないわ。』

『見晴らし、どう?』

『んー、遠くまで見渡せて、なんだか気持ちいいわ。』

『バルコニーから見る景色とは違う?』

『全然違うわ。それにいつも見るのは街の夜景よ。』

『でも、風が気持ちいいんだろ?』

『えぇっ?何?どういうこと?』

『ただの出まかせ(笑)どうしたの?悦ちゃん?』

『あ…いぇ…何でもないわ。』

『ねぇ、何してる人?』

『会社員よ。』

『歳は?』

『おばさん。』

『一人暮らし?』

『そう。』

『マンションの7階に?』

『ええ、そう…えっ?!あなた…』

『夜な夜な、裸でバスローブを着て、アルコールとタバコを持ってバルコニー。』

『ちょ、ちょっと!』

『風呂上がりにボディミルクでお肌を手入れして…』

『あ、あなた!誰?!』

『東雲翔(笑)』

『し、しののめしょうは判ってるわ!』

『警察に突き出してもいいよ。俺、悦ちゃんのこと、いつも見てる。覗きだよ。』

『なんて人なの!』

『何言ってんの?夜な夜な俺を挑発してるくせに(笑)』

『挑発だなんて!そんなことしないわ!』

『じゃあ、レースのカーテン一枚で、電気を煌々と点けて家ん中歩き回るのやめてくれる?見て下さいって言ってるようなもんじゃん(笑)』

『あ……』

『丸見えだくらいわかるじゃん。上の階だから見えないとでも思ってた?』

『………』

『図星、ね。ねぇ、悦ちゃん、俺のこと、いや、俺のここ、悦ちゃんが鎮めてよ(笑)』

『最低……』

『何言ってんの?挑発女のくせに。』

『酷いわ!』

『酷くないよ。俺、マジで年上好みだし、悦ちゃんの躯に惚れたし。』





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