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裸身
第7章 挑発
『ぅわっ!すっげー!』

『こっちよ。』

『ねぇ、ホントのホントにただの会社員?』

『えーと、このカーテンはここね。で…きゃっ!』

『んー、いい匂い。なんて香水?悦ちゃんが、俺の質問に答えてくれないから、仕返し。』

『やめて。』

後ろから羽交い締めにされた悦子の動揺。
びっくりするほどの胸の高鳴りに、一言発するのが精一杯だった。


何故こんなことになってしまったの?
「男が欲しいみたいな顔しちゃダメ」
昨日言われたばかりなのに……
あたし、本音は男に飢えていたの?!


『あーあ、まただんまり?悦ちゃんずるいなあ。はいはい、ここですね?付けますよ、カーテン。』

『え?あ、あ、そう。ここ。次はあっちね。』


要領良く、さっさとカーテンを吊していく。
翔は手際がいい。

うちの社の子達もこれくらい手際良かったらなぁ。



『はい、ここも終わり。あとは…』

『い、いいわ…あとは私がやるから。』

『えーっ!ダメでしょ。肝心の悦ちゃんの寝室見てないもん!』

『だから、いいって言ってんの!』

『却下。』

寝室を覗く翔は嬉しそうだ。
私は心臓のドキドキバクバクがとまらない。

やだ、あたし、翔との……

期待してる!



『ふぅ、終わった。広い家だなあ。2LDKか、ひとつひとつがでっかいし、玄関も凄かったもんなあ。風呂…』

『や!ダメ!』

『ん?人の話、聞いてたくせに返事も無しで、都合が悪くなると、や!ダメ!って。』

『ごめんなさい……あたし、きっと疲れてるのね。コーヒー入れるから、飲んだら帰って。』

『えーっ、俺、腹減ったなあ………』





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