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裸身
第8章 架空の世界の中で
『はいはい、こっちこっち。』

挨拶もそこそこに中へ連れられたあたし。

『瑠美ちゃん、名前すら呼んでもらえなかったでしょ。』

『えぇ、まあ…』

『あいつは『女に名前はいらない』って言って、絶対呼ばない。そのくせしっかり名前を覚えてる。変な男だろ?密かに惚れる女が多いのが俺には解らない。』

(はあ?解るじゃん。ルックスといい、スマートな振る舞い、何より謎めいた雰囲気。引き付けられるんだよねー)


『本番、した?』

『あ…え…』

『してないね!欲求、溜まってるよね?』

『や…べ…別に』

『嘘だね!あと少しのところで戴けませんでした。ね?』

『はい…』
(なんなの?こいつ。イケメンってほどじゃないし、お金持ちの匂いもない。まして、あたしより色白ってキモい!)

『あ、表札にもあるように、永岡龍谷(ながおかりゅうや)歳は37。バツあり独身ね。』

『知ってます。』

『ああ、そうだね。じゃあ契約ね。先ずは一ヶ月契約で住み込み。掃除、洗濯、家事一般。あと、これがメイン、俺の相手。解るね?報酬は日給10万円からの減額制。』

『減額制?』

『そ。採点方式。満点が10万。そっからダメだと減額していくわけ。ま、頑張って(笑)』


キモい男に値踏みされながら720時間拘束される?!勘弁して欲しいなあ……適当にあしらって終わらせちゃうか。0円でもいいや。



『あ、それから、減額制だから、契約終了時、報酬額がマイナスなら、ちゃんと清算すること。いいね?』


げーっ!最悪ぅ………



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