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暁の星と月
第3章 暁の天の河
礼也を一階の居間に待たせて、暁は自室から必要な身の回りのものを纏めていた。

…と、音もなく扉が開き大紋が入って来た。
暁がはっと振り返るや否や、腕を強い力で引き寄せられ、そのまま壁に押し付けられると、強引に顎を捉えられ唇を奪われた。
「…んっ…!…ああ…んっ…」
「…そんなに礼也といたいの?」
大紋の舌が荒々しく暁の唇をこじ開け歯列をも押し開く。
「…やっ…春馬さ…ん…」
「…あんなに抱いたのに…君はまだ礼也を忘れない…」
怒りに任せて、暁の柔らかな口内を容赦なく犯す。
同時に、麻のシャツ越しに初々しい小さな乳暈を抓り上げ、少年に悲鳴を上げさせる。
「…ああっ…やめ…て…」
華奢な腰を引き寄せ、ほっそりとした脚の間に乱暴に逞しい脚を差し入れる。
暁の下腹部に押し付けられた大紋の牡は熱く硬く…スラックス越しでも猛り狂っているのが分かった。
逞しい雄蕊を押し付けられ暁は瞳を潤ませ、自分から大紋の首筋に腕を回した。
「…あ…んっ…春馬さん…」
大紋の巧みなくちづけは暁の身体を柔らかく融かしてゆく。
程なくして暁は自分から舌を絡め、大紋のくちづけに応えていった。
…暁はたった数日で、男に快楽に弱い身体に作り変えられていたのだ。
「…ごめんなさい…春馬さん…どうしたら、赦してもらえますか…」
涙ぐみながら暁は詫びる。
美しい貌が哀しげに歪むのを見て、胸が痛む。
暁への愛しさが溢れ出す。
大紋は優しく抱き締める。
「いいんだ、暁…。僕が大人気なかった…君が礼也をまだ好きなのは仕方のないことなのに…」
暁は大紋の胸の中で激しく首を振る。
「…僕が、悪いんです。…兄さんをいつまでも思い続けてしまう僕が…」
「君にとって礼也は刷り込まれた親鳥だ。君は悪くない」
「…春馬さん…」
大紋は暁の美しい貌を大きな両手で覆い、優しく呟いた。
「…僕が本当になりたかったのは、14の君を危機から救い出した礼也だ。…意外に思うかもしれないけれどね…」
…暁の心と身体を救った礼也になりたかったのだと言われ、暁は瞳を見開く。
何かを尋ねようとした時、扉が軽くノックされた。
「…暁、用意は出来た?」
礼也の声が優しく響く。
はっと扉を振り返る暁の腕を解放してやる。
「…行きなさい…」
大紋は静かに微笑む。
「…春馬さん…」
「…礼也に甘えておいで…」
大紋はそっと暁を扉の方へと押しやった。





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