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暁の星と月
第3章 暁の天の河
同じ性を持つ男の性器を口淫していることに、消え入りそうな羞恥と、僅かな屈辱感…しかし、それを上回る快感を覚える。
それは背徳感と隣り合わせの快楽であった。

…暁は大紋に抱かれるまでは、性体験は何もなかった。
女性を好きになったこともなかった。
今思うと、碌でもない男達の食いものになっていた母を幼い頃からずっと見て育ったからだろう。
母を虐げる性行為がおぞましかった。
自分が女性を組み敷くことなど考えたこともなかった。
それは男達から慰みものになり続けていた母を彷彿させるものだったからだ。
…だから大紋に抱かれた時、男同士の行為に恐怖はあったが、彼の優しい言葉や行為により、嫌悪感を覚えずに男の性を受け入れることが出来た。
大紋は一度も暁を傷つけることなく、男の性を受け入れさせ、あまつさえ快楽を得られる身体に変えることすらしたのだ。
暁の女性との性行為に対する無意識の嫌悪感と、男同士の性行為が上手く合致したのだが、それは全て大紋の暁への愛が届いたからなのだ。

だから暁は、大紋への奉仕は厭わない。
寧ろ、悦んでくれる大紋の表情を見たいと思う。
丹念に男の雄蕊を舐め、足りないところは華奢な手を使って愛撫する。
大紋の牡は長大でずっしりとした質量がある。
それらを口淫する内に、自然と声が出てしまう。
「…んっ…んん…は…あ…っ…」
美しい美貌のまま、一途に口淫を続ける暁を大紋はじっと見つめる。
暁の髪を優しく撫でながら、熱く囁く。
「…こんなに綺麗な顔をして…暁は淫らな行為をできるんだね…すごく…唆るよ…」
大紋は昂まる欲情を抑えきれずに、暁の髪を撫でたまま、己れの牡を少年の口内の奥深くに突き入れる。
「…んんっ…は…あ…っ…んっ…」
苦しげに息を吐く暁をうっとりと見つめる。
「…僕のものをこんなにも咥えこんで…なんていやらしいんだ…君は…」
緩く腰を使い出した男の動きに合わせて、暁も健気に口淫を続ける。
男の牡を咥えて奉仕する…苦しいだけのはずなのに、己れの花茎が熱く昂まり疼き出す。
…僕は…やはり何処かおかしいのかもしれない…
大紋の口淫に夢中になりながら、倒錯的な淫欲に溺れ始める。
…実の兄さんを愛する僕は…やはり歪なのだ…。
だから、こんな淫らな行為をして快感を覚えるのだ…。
暁は歪んだ性癖の己れを漸く受け止める。
…受け止めた上で、男の口淫に溺れ始める。
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