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第6章 その花のもとにて

男の抽送は次第に速く、勢いを増し力強く往復運動を始める。
男の牡が狭い肉筒を、突いては返す度に暁の淫肉は怒張した男根をきつく締め付け、絡みつくようにまとわりつくのだ。
大紋は低くく呻いた。
「…狭いな…よく締まる…全く…君は…極上のからだをしているよ…」
暁はかつては性的に潔癖で、男との交わりなど考えたこともないような…さりとて女性との性交は生理的に受け付けられないという性を疎んじているような少年だった。
そんな暁に性技を一から辛抱強く教え込み、自分好みのからだと心に育てあげてきたのだ。
最初は大紋の要望に泣いて怯える少年を優しく、暴力ではなく愛撫と賞賛でそのからだを溶かし、性的に淫らなからだに創り上げてきた。
今では暁は性的な命令を拒むことは決してない。
大紋に従えば、目眩く快楽の世界に耽溺できることをからだで憶えこんだからだ。
…このからだは自分が開発し、創り上げたのだと誇らしい満足感とそして独占欲を漲らせる。

「…ああっ…んん…い…い…」
暁の薄桃色の唇が半開きになり、快感を口走る。
「…きもち…い…い…」
素直に快感を言葉にすることも大紋が躾けたことの一つだ。
「…きもちよくなったら素直に言葉にするんだよ…そうすれば暁をもっともっときもちよくさせてあげるから…」
快楽に喘ぐ少年の耳元に呪文のように吹き込んだ。

「…いい…春馬さんの…かたくて…おく…あたって…すごく…いい…」
今の自分の状態をあからさまに伝えることも、大紋が仕込んだ。
「…春馬さんの…おおき…い…ああ…お腹の奥…熱くて…たまらない…」
硬く冷たい煉瓦の壁に押し付けられ、片脚を抱え込まれ、男の抽送運動により思う様揺さぶられ、蹂躙される。
白い双丘の奥、花環と凄まじい勢いでピストン運動する男根のあわいは、香油と暁の体液と大紋の先走りの精で白く泡立ち、いやらしい水音を立てていた。
「…淫らな音だ…そんなに気持ちがいいの？」
男が意地悪く笑う。
暁は朦朧としつつある意識の中で、頷く。
「…いい…きもち…いい…春馬さんの…すごく…いい…もっと…もっとして…んんっ…」
壊されそうに蹂躙されながらも暁は更なる快楽をねだる。
ラベンダーの香りと、頭上の蔓薔薇の甘い香り…そして暁の夜の花のようなあえかな薫りが混ざり合い、蒸せ返るような香気に包まれる。
大紋はその楽園のような甘い地獄のような香りに酔いしれる。