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暁の星と月
第13章 暁の星と月
その夜、暁は月城の家を訪れた。
玄関のベルを鳴らすと、すぐに月城が現れた。

白地に青いストライプのシャツに黒いスラックス…。
休日の月城の格好はいつもの一分の隙もない執事の服装と対照的で、男性らしい艶めいた魅力に溢れていて、目の当たりにすると胸が高鳴る。

玄関で出迎えた月城は、優しく暁を見つめる。
「…暁様、退院おめでとうございます」
照れ臭くて、つい眼を逸らす。
視線を移した先の戸棚の上には、九谷焼の花器に飾られた見事な白い薔薇があった。
「…白薔薇か…綺麗だな…」

不意に月城が暁の腕を引く。
「…あっ…」
気が付いた時には月城の逞しく温かい胸の中に抱き込まれていた。
「…お逢いしたかった…」
強く抱きしめられる。
月城の水仙の薫りに包まれ、例えようもない幸福感に包まれる。
「…僕もだ…」
…昨夜は嬉しくて、眠れなかった…。
暁は月城のシャツを子どものように握りしめた。
「…どうされました…?」
「…月城がもう…僕の恋人だと思うと…嬉しくて…」
一度強く抱きしめられ、
「可愛いことをおっしゃる…」
低い声で囁かれると唇を奪われた。
「…んっ…ああ…」
「…暁様…」
月城のくちづけは巧みだ。
ベルベットのように滑らかな舌が暁の柔らかい唇をそっと押し開き、白く整った歯列をなぞるとやや強引にこじ開ける。
「…んんっ…はあ…っ…ん…」
暁の薄い舌先をあっという間に絡め取ると、千切れそうになるほどに吸い尽くし、解放すると見せかけて、口内を隈なく愛撫するのだ。
濃厚で濃密なくちづけに暁の身体は柔らかく弛緩し、思わず月城に身を預ける。

月城は、そっと唇を離し…そのまま暁の身体を横抱きに抱き上げた。
「…あ…!」
月城は眼鏡の奥の端正な瞳を細める。
「…寝室にお連れします…」
そのまま廊下に運ばれようとした暁は慌てる。
「…月城!…ちょっ…待って…!靴…!」
暁が脚をばたつかせた弾みで靴が脱げ、廊下に転がり落ちる。
月城は眉ひとつ動かさずに、微笑みを浮かべたまま、寝室へ向かう。
「暴れられると落ちますよ」
「…もう…!お行儀が悪いだろう!…君は…執事なのに!」
恥ずかしさの余り抗議する暁を、月城は艶めいた眼差しで見下ろす。

「…今は執事ではありません。…貴方に恋焦がれるただの男です」
暁の胸は甘く疼き、堪らずに男の首筋に強く抱きつく。











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