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第13章 暁の星と月

…月城の熱い牡が体内で息づいていた。
その力強い脈動までも肉襞の一枚一枚で絡め取るように暁は感じ始めていた。
痛みが快楽に変わる過程を、暁は初めて味わっていた。

男に抱かれるのは初めてではない。
…ましてや月城とは何度か身体を重ねていた。
しかし、今までのそれはお互いがお互いの気持ちを確かめられず、すれ違ったまま快楽だけを共有していたものだった。
抱きあっている時も不安でならなかった。
刹那の快楽しか共有できない虚しさに、身体は満たされても心は満たされなかった。

…だが、今は違う。
自分の体内にいる男が自分を愛してくれている幸福感と、自分が男を愛していることを分かって貰える安堵感で快感はより深みを増し、芳醇な悦楽へと導かれるのだった。

月城は己れのずっしりとした牡が暁の肉に馴染むまで待つと、ゆっくりと腰を引き寄せた。
「…もう、動いてもいいですか…？」
暁が充分に馴染み、その天鵞絨のような肉壁が月城の男に絡みつきつつあることを確認したのだ。
暁は目尻を朱に染めて頷いた。
気怠い快楽の波が暁の下半身に漣のように押し寄せつつあった。

月城の動きは大胆であり、野蛮な優雅さに満ち溢れていた。
暁は男に華奢な腰を掴まれ、荒々しく突かれる度に甘い喘ぎ声を高まらせ、我知らずに乱れ始める。
「…ああっ…！…は…あ…んんっ…そんな…深い…や…ああっ…ん…」
「暁様…貴方が…愛おしすぎて…壊してしまいそうだ…」
形の良い眉を苦しげに寄せる貌に、男の淫靡な色香が漂い、暁はぞくりと背筋を震わせる。
「…ああ…はあ…っ…いい…すごく…」
「気持ちいいですか…？」
逞しい腰を間断なく打ち付けながら、暁を優しく見つめる。
「…ん…っ…すごく…いい…よくて…からだが…どうにかなりそ…」
暁の甘く掠れた喘ぎ声にそそられながら、月城も一層強く弾けそうな欲望を感じる。
「…私もです…貴方の襞が私に絡みついて離れない…すごくよく締め付ける…」

女の女陰など比にならないほどに、暁の淫筒はきつくうねりながら月城の男根を締め付ける。
余りの締め付けの良さに月城は思わず低く呻いた。

暁は男に激しく揺さぶられ、息も絶え絶えに懇願する。
「…おねが…い…も…達かせて…達きたい…」
息が止まりそうなほどの悦楽の波が暁を翻弄していた。
暁ははらはらと透明な涙を零す。
月城はその可憐な唇を貪る。