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暁の星と月
第3章 暁の天の河
「…暁くん…」
暁は流れ落ちる涙を拭おうともせず、続ける。
「…兄さんに引き取られてから、僕の世界の中心は兄さんただ一人でした。
兄さんは今まで見たことがないほど美しい人でした。…美しくて、優しくて、賢くて、強くて…。お伽話に出てくる王子様みたいな人でした。
僕は、来る日も来る日も兄さんだけを、夢中で見つめていました。…最初は、初めて兄さんが出来た嬉しさだと思っていました。僕は今まで母以外に家族がいなかったから、だから兄さんに対してこんなにも執着してしまうのだと…。でも…日に日に兄さんに対する感情が強くなって…ある時、兄さんが誰よりも深く愛している梨央さんを強く憎んでいる自分に気づきました」
暁の儚いまでに美しい顔に浮かんでいたのは絶望の色だった。
「…梨央さんが憎かった…羨ましかった…この人さえいなければ…そう激しく願った自分に、僕は絶望しました。…兄さんは僕を地獄から救ってくれたのに…僕に溢れるほどの愛情を注いで、育ててくれているのに…なんて浅ましい人間なんだ…!と。大切な兄さんの恋を祝福することすらできないのかと…。
そんな絶望を上回るほどの兄さんへの想いに…僕はどうしたら良いのか分からなくなっていったのです…」
…だから…と、暁は初めて大紋を見つめた。
哀しいまでに美しい瞳だった。

「…僕は貴方を利用しようとしたのです。…大紋さんなら兄さんを忘れさせてくれる…この苦しい想いから救ってくれる…貴方が僕を好きでいてくれる気持ちを…利用しようと…僕は…」
暁の言葉は途中で掻き消された。
大紋は暁の腕を引き寄せ、再び自分の胸に抱き込んだ。
そして、それ以上は何も言わすまいとするかのように、暁の顎を掴むと、激しく唇を奪った。
暁の瞳が驚愕で大きく見開かれる。
「…ん…っ…!」
「…いいよ…利用してくれ…」
「…大紋さ…ん…っ…」
抗う暁の身体を強く押さえつけ、しかしくちづけは優しく、傷ついた暁の心を癒すかのように繰り返される。
「…僕は君に礼也が与えてやれないものを全て与えてあげられる…君がほしいもの全てを…僕が…礼也を忘れさせてやる…暁…!」
「…んっ…は…あ…っ…」
暁の柔らかな唇を押し開け、包み込み、白く美しい歯列を割る。
暁の驚愕に縮こまった舌を大紋は強引に絡め取り、無垢な口内を蹂躙する。
「…暁…好きだ…君が僕を好きでなくても構わない…愛している…」
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