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第3章 暁の天の河

大紋は暁をまるで宝物を扱うかのようにそっと広いベッドの上に押し倒す。
そして、暁の髪を優しく撫でながら囁く。
「…夢みたいだ…君と愛しあえるなんて…」
少年のように声を上擦らせる大紋に、暁は下から彼の頬に触れる。
そして、寂しいような悲しいような不思議な微笑みを浮かべた。
「…どうして…？」
「…？」
「…どうして、僕のことをそんなに思って下さるのですか？…僕なんか…ついこの間まで、貧しく惨めな生活をしていた子供です。貴方みたいに全てに恵まれた人とは別世界にいたんですよ…。大紋さんなら、どんなに美しく魅力的なご令嬢ともお付き合い出来るはずなのに…」
「…僕は、君がいいんだ。…君に初めて会った日のことを僕は決して忘れない。…君は目が醒めるほどに美しく清らかで…そしてどこか儚げだった。心が鷲掴みにされるような衝撃を受けたのは後にも先にも君が初めてだった…」
「…大紋さん…」
大紋はゆっくりと体重をかけないように、暁にのしかかる。
「…愛しているよ、暁…」
「…大紋さ…ん…っ…」
大紋は暁の傷つきやすい花のような唇を優しく奪う。
まだ緊張している暁の唇を押し開き、舌を絡める。
角度を変えながら、濃密なくちづけを繰り返す内に暁の掠れた切なげな声が上がる。
大紋は甘いくちづけを与えながら、暁のシャツのボタンを外し始める。
そして、そっと素肌に触れる。
…きめ細やかな練絹のように美しい肌…
少年の胸にある小さな赤い禁断の果実を大紋は口に含む。
「…ああ…っ…ん…！」
シャツを取り去り、スラックスのボタンも外す。
「…やっ…や…め…て…」
初めて暁が大紋の手を抑え、抗う。
「…怖いの…？」
大紋は宥めるように暁の顔中にキスの雨を降らせる。
「…すこし…」
「…大丈夫…酷いことなんてしないから…暁には僕を感じてほしい…そして、気持ちよくなってほしい…」
「…大紋さん…」
「春馬と呼んでくれ、暁…」
唇を重ねながら、暁の身体を抱きしめる。
「…春馬さん…」
「愛しているよ、暁…君の全てをくれ…」
大紋の熱いくちづけと眼差しを受け、暁は瞳を潤ませて頷いた。

…大紋の手により、暁は生まれたままの姿になる。
白くしなやかな若木のような手足…
色づき始めたばかりの果実のような乳暈…
…そして初々しい少年の像に大紋は愛おしげに手を伸ばす。
「…や…はずかし…」
暁は羞恥に身悶える。