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暁の星と月
第3章 暁の天の河
大紋はそっと、テーブルの上に置かれている暁の白く華奢な手に手を重ねる。
びくりと震える手をそのまま握りしめる。
「…今日は、どこに行きたい?」
大紋の声はどこまでも優しい。
「…暁が行きたいところに行こう。…したいことをしよう。何でも言ってくれ。君の希望は僕が全て叶えるから…」
そうやって、暁を子供のように甘やかす。
暁は眩しそうに大紋を見つめる。
「…そんなに甘やかさないで下さい」
大紋は声を潜めて顔を近づける。
「甘やかすよ。…僕は暁にはいくらでも甘やかしたいんだ。…君を愛しているからね…」
暁は慌てて母屋の方を振り返る。
「…人が来たら…」
「…人払いをしているから、誰も来ないよ。…もし来ても構わない…」
そう言いながら、大紋は暁の唇を奪った。
「…ん…っ…だめ…」
暁が練絹のように白い頬を薔薇色に染めて、抗う。
「…じゃあ、この続きは今夜だ…」
桜色に染まる暁の耳朶を甘噛みしながら囁く。
「…春馬さん…」
潤んだ黒い瞳がぞくぞくするほどに色っぽい。
大紋は再び、劣情に火が点きそうになる自分に耐える。
「…で、どこに行きたい?何をしたい?」
暁の手を握りしめたまま尋ねる。
「…厩舎に…アルフレッドの世話をしに行きたいです。…それから、春馬さんと遠乗りがしたいです」
「…他には?」
「…春馬さんに英語の課題を見て欲しいです。…それから、ラテン語も…」
大紋は苦笑しつつも、暁が可愛くて仕方がないようにその吸い付くような頬を抓る。
「…何て真面目なんだ。君は本当に欲がないな」
「でも…本当にしたいことなんです。…僕は、春馬さんが馬に乗る姿が好きだし、春馬さんが話す英語とラテン語が大好きなんです」
…透き通るような美しい黒い瞳…
不思議な少年だ…
昨夜のように無意識な媚態を見せるかと思えば、今みたいに穢れない天使のような表情をする…。
大紋は益々暁に惹きつけられる自分を感じる。
…もう、この少年を手放すことはできないかも知れない…。
予感めいたものが頭をよぎる。

大紋は慈愛深く笑う。
「…いいよ、そうしよう。…ただし、夜は出かけよう。三笠ホテルのディナーを予約したよ…。…僕達が恋人同士になった初めての夜だからね…」
暁の白く美しい手の甲に愛しげにくちづけする。

暁は薄桃色の唇をうっすらと開き、長い睫毛を瞬かせた。

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