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素肌のままで
第4章 の
その後は2人で楽しい話をして
お店を出たころは終電ぎりぎりで。

お店の中とは違う寒い空気に肩をすくめて
「三浦さん、早く!終電に乗り遅れますよ!」
急ごうとしない三浦さんの手を引っ張る。

不意に・・・
その手を逆に引っ張られて、バランスを崩して
三浦さんの胸の中へダイブした。

逃げないようにギュッと抱きしめられた耳元で

「俺の家にこぅへん?」

小さく小さくそう呟いた。
「え?」
聞こえているはずなのに。
もう一度確認したくて、疑問符を投げかければ
三浦さんの顔を見ようとして上を向いた首筋に
柔らかい、優しいキスをする。

その心地よさに、ふと気を許したすきに
手をあげた三浦さんの横にタクシーが1台止まった。

「理由が必要やったら後でいくらでも考えてやる」

憎らしい程綺麗な顔で
そう呟きながら、私をタクシーのドアまで連れて来て
あくまで自分の意志で乗るように促した。

理由が必要やったら後でいくらでも考えてやる―――

その甘い、甘やかなセリフが頭の中で繰り返されて
私の後に乗り込んだ三浦さんが・・・少しかすれた声で地名を言ったのも聞いていなかった。
その後にバタンとしまったドアの音だけが
私の耳に残っていた。

タクシーの中で、私の手をぎゅっと握ったまま
その手をゆっくりと引き、私の身体ごと引き寄せる。
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