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契約的束縛・誘惑なる秘密
第7章 ミュンヘン-過去の遺恨
美波には笑顔で居て欲しい、それは私達3人共に同じ思い‥
宮野と一緒に露店を覗き楽しそうな美波の姿‥‥私ではこんな笑顔にさせてあげられ無かった、1年以上一緒に居たというのに‥‥
「それにしても、貸し服という割りには立派だなこの軍服」
「レプリカですよ、細部のデザインや材質が微妙に違います‥
こうして歩いていると、一部本物を着ている方も居るには居ますね、殆どが高齢の男性ですが」
「‥‥捨てる事は出来なかった、そんなところだろう」
「人の思いはそれぞれ‥
今だから懐かしむのも良い事ですよ、以前はこんな事は出来ませんでした」
「理由的には分かる、日本も同じだったと習った覚えはあるな‥‥防衛大時代に‥‥」
「本郷さんは着慣れているんですね軍服」
「一応だぞ?
そういう仁科も簡単に着こなしただろ」
「それなりに色々やりましたから」
私がドイツから離れて日本に行った頃は、まだ此処まで緩い感じでは無かったと思う‥
本当に最近‥‥ここ10年程だろう、こんなにも軟らかい雰囲気になったのは、これも時代の流れなんでしょう。
私の思いはともかく、美波と宮野を微笑ましく見ながら歩いていると、ふと気になる人物を見付けた‥
離れて歩くのは気が引けますが、この場合致し方無い。