この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第7章 ミュンヘン-過去の遺恨
「・・本郷さん・・」
「どうした仁科?」
「少し単独行動をして良いですか?
少々引っ掛かる事があるんです」
「構わんが‥‥
美波と宮野には適当に言っておく」
「すみません‥
短時間で合流しますので‥‥」
本郷さんに断りを入れて、私は1人反対方向へと動き出す‥
どうしても引っ掛かった、本物の軍服を着て歩いている40代くらいの男性。
(まさかとは思いますが、確認は取った方が良いでしょう‥
本物の訳は無い、子か孫か‥‥今の私を見て無反応であれば、捨て置いて構わない)
私でも少々過去話だが、見覚えがある顔が通り過ぎて行ったのは確か‥
あり得ない事だとは思っていても、その人物となれば何があってもおかしくは無いという考えが働いてしまった。
(見る訳でも無く、買う訳でも無く‥
目的がありそうで、目的が無さそう‥‥では何故この場所に来たのだろうか)
人の流れに乗りながら、何事にも興味が無さそうに歩く男‥
もし本当に私の知っている男ならば、こんなイベントには興味すら無い筈、やはり他人の空似の可能性。
(‥‥公園‥‥
この場所は人が少ない、これは良い感じです)
確めるのに最適な場所、そう判断し私は然り気無くその男の前に出て見る事にして見た。