この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第7章 ミュンヘン-過去の遺恨

「・・・・・」
「・・・・・っ!?」
無言で公園内を歩きターゲットに接近‥
私は無表情だが、向こうはあらかさまに反応した、やはり私の考えで当たり‥‥当たっては欲しくありませんでしたが。
「・・・何故私を見て驚きます?」
「・・・何故と聞くか・・・
あれから何れだけの年月が経っていると思う?」
「その言葉、そっくりお返ししますよ‥‥‥ヨーゼフ・メンゲレ、いえ死の天使と呼んだ方が良いんですかね?」
ヨーゼフ・メンゲレ
第2時大戦中の悪評高い医者であり軍人、ナチの親衛隊に属し、その特権で研究という非人道的な事を繰り返していた男。
目を付けられれば命は無い、脆残で悲惨な結末への片道切符、その残虐性を揶揄して"死の天使"という異名を付けられた。
だが生きていても80才以上、更に言えば死亡は確認されている筈‥
なのに今私の目の前に居るヨーゼフ・メンゲレは40前半ほどの見た目‥‥どうなっているんです?
「久し振りに呼ばれた‥‥死の天使か、良い名を付けられたものだ」
「問題はそこではありません、何故若いままなのか、そちらが問題ではありませんか?」
「理由に心当たりがあるだろう?
コンラート・ゼクス中将‥‥いや今は別の名か??」
「・・・実験は全て失敗・・・
私はそう聞いていましたがね、どうやらそうでは無かったよう」

