この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第8章 2人の盟主国外へ‥‥
「それでも‥‥私は美波に危険な思いをして欲しくは無いんです、幾ら力があってもして欲しくは無い‥
私の我儘なのは理解しています、でももう傷付く美波を見たくはっ!」
「‥‥‥仁科さん‥‥‥」
ギュッと抱き締められて、私は仁科さんの胸の中‥
分かってるよ、それが仁科さんの本心だって、私を見てずっと辛そうな顔をしていた仁科さんだから。
「私の‥‥せい‥‥
見抜け無かった私のせい、今回の事も‥‥‥主催の事も‥‥‥」
「違う!
櫻澤さんの事は仁科さんのせいじゃない、どうして抱え込もうとするの?
あれは誰のせいでも無い、なるようにしかならなかった事なのに、仁科さんが抱える事じゃないでしょう」
「ですが私が力の出し惜しみをしていなければ、防げた可能性もあったんです‥
私が隠し通そうとしたばかりに、全て後手後手に回ってしまいました」
「日本で‥‥大きな力は出せないでしょう仁科さん‥‥」
「そう思い込んでいただけですが‥」
それが仁科さんが私を辛そうに見る理由、『後悔』という思い‥
初めから本気を出して対処していれば、全ての事が起きなかったという後悔‥‥そう仁科さんは後悔してる、仕方が無かった事なのに。