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契約的束縛・誘惑なる秘密
第8章 2人の盟主国外へ‥‥
「‥‥‥そうして辛い顔をしている仁科さんを見る方が私は辛い‥‥‥
仁科さんが隠し通そうと思ったのは仁科さんの意思、普通は思わないよ盟主だって、人と違う力を持っているなんて誰も思わない‥‥そっちの方が当たり前なの‥‥」
逆に私の方が仁科さんを抱き締めて、その広い背中をゆっくりと擦る‥
仁科さんの心の内、今まで誰にも言えなかった心、盟主だと抑えていた心、漸く私に見せてくれるようになった仁科さんの心。
何時も冷静で強気の仁科さん‥‥そう思われがちだけど、本当は私達と同じく思い悩む‥
どれだけ長く生きて、どれだけ強大な力を持っていたって、仁科さん自身は普通なんだよ、特別な存在かも知れないけど、普通に喜怒哀楽がある人なんだよ、それを誰も分かってくれない。
「当たり前‥‥ですか‥‥
そんな事を言うのは美波だけです、隠していなければ誰もそんな事は言わない、私を盟主としか見ない‥‥ルークでさえも‥‥」
「仁科さんに取ってルークは特別だもの‥
うんんルークだけじゃなく本郷さんも宮野さんも特別、ちゃんと仁科さんを仁科さんとして見てくれる」
「もう無くす事だけは勘弁して欲しいです‥
寿命‥‥それでしたら心の整理も付きますが、自分から命を投げ出す事だけは納得出来ません、そして誰かに殺られる事も私には納得出来ない」