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契約的束縛・誘惑なる秘密
第10章 ドイツー久し振りの堕ち技
∞∞∞∞∞
「・・・・・・・」
リンリーの件で俺が宮野に言った後、日中の宮野は窓辺に寄り掛かりボーっとしている事が多い。
流石に言い過ぎたとは思う‥‥
人には向き不向き、得手不得手という言葉がある、人身売買の現場はともかく、記憶処理は宮野にすれば不得意分野、無理矢理人の精神をねじ曲げる事、それは宮野の過去の環境に関係してしまう。
(参ったな‥‥
良い言葉が見付からん)
元来口下手な俺は、こんな時になんて言って良いのか言葉に困る‥
こんな時、美波や仁科が居れば宮野をフォローしてやれるんだが・・
「・・宮野、今日の分終ったのか?」
「終ってるよ、画像解析も‥‥
俺の部屋にあるから勝手に持って行って」
「??
なにかあったか宮野?
これから仁科様に報告なんだが、必要な事くらい言付かるぞ」
「‥‥‥いや無いから‥‥‥」
すっかり元の心を開かない頃に戻ってしまった宮野、俺が初めて宮野に会った時もこんな感じだった。
‥‥‥何とかしないといけないんだろう、俺が撒いた種だ‥‥‥
「宮野、少し良いか?」
「何?本郷さん??」
「本郷??」
不味いかと思い距離を開けていたが、口下手でも話さなきゃならんと、俺の方が立ち上がり宮野の方へと向かった。