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契約的束縛・誘惑なる秘密
第10章 ドイツー久し振りの堕ち技



「なんて言って言ったら良いのか‥
‥‥人間どうしても出来ない事だって存在する、特に宮野は感情に敏感なんだ、感情を操作する記憶処理には適さない‥
けどな俺はそれで良いと思う、出来ない事は俺達が分担する‥‥その為の4人だろ?」


「‥‥‥本郷さんは何でも出来るから言えるんだよ‥‥‥」


「いや俺もメンタル面は弱い‥
日本に居た頃に美波に言われた、『無理していないか』と‥‥
それで気が付いた、俺はこの傷を付けた奴等をまだ恨んでいたってな、心も躰も傷付いたまま俺は逃げていたんだと思い知った」


そうだ、俺は美波に言われるまで終った事と思いながら忘れる事が出来ず、もし知らずに出会っていれば、俺は彼奴らを半殺しにしたかも知れん。


それだけ俺も弱かったんだ、宮野と同じくトラウマになる程‥
俺の場合あの美波の言葉に救われたがな。



「‥‥本郷さんが‥‥」


「同じなんだ俺も宮野も‥‥
いや、美波も仁科も皆同じ、心の何処に傷を持ちながら、互いに欠けたものを補う‥
俺や宮野が出来なかったら、美波や仁科がやるだろう、そして美波でも仁科でも出来ない事を俺達が出来る時もある‥‥そうだろ宮野?」


「本郷さん俺‥‥
ごめん、何でも出来ないとって少し考え過ぎた‥
そうだよな、性格がバラバラな俺達、それは個々の能力が別だと主宰が選んだんだよ、纏まれば何でも出来るようにって」


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