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契約的束縛・誘惑なる秘密
第11章 香港ー裏社会という場所
「‥‥本当は‥‥‥」
「‥‥‥‥‥」
仁科さんの手が私の頬に触れる、考えるような言うか言わないか迷っているように、触れて軽く撫でられる。
「‥‥本当は全員一緒が美波の願いですよね、それなのに私だけが抜け駆けしたような感じになってしまいました‥‥
ですから少しでも早く願いを叶えたい‥‥エゴなんですかね私の、美波を私の都合に巻き込んだくせに、一番焦っているのは‥‥私‥‥」
「‥‥‥悠人‥‥‥」
「人の命は短いです、もたもたしていれば直ぐ居なくなってしまう‥‥
美波には私と同じ思いはして欲しく無かった筈なんですが‥‥私は私の誘惑に従ってしまった、何時死ねるかも分からない人と違う人生と知っていたというのに私は‥‥」
ああと思う、仁科さんが焦る理由、それは少しでも長くみんなと一緒に居たいから‥
仁科さんだって本郷さんと宮野さんと一緒が良いの、だからドイツの時から無理や無茶ばかりして、強引に意思を押し通してでも2人をドイツに呼んだ。
そして今も同じ、香港に呼ぶ為にこうして無理と無茶を繰り返す‥
私の為であり、仁科さんの為でもあるんだよね、そうだよね仁科さん?
だから‥‥素直に口にする仁科さんを私から抱き締める‥‥
私で癒しになるんだったら、幾らでも私をあげる、だから悩まないで‥‥