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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方



そんなの人の勝手じゃない、私が気にする必要なんか無いのに、何故こんなにも苛立つのか?
‥‥‥理由なんて簡単、似てるから、これしか無い‥‥



(だからって、私から話し掛ける訳にもいかないでしょう)


調教師として舞台に立っているんだから、調教者の売り交渉以外は、基本的に話すのはNG‥
距離が近い感じの香港ならではだよね、お客と調教師の線は引こうという考え。


そんな事を考えていたせいなの?
日本のことわざに"噂をすれば影"ってあったよね、そのことわざが本当になるなんて、運命って嫌な事ばかり押し付けて来る感じ。


そうなの‥‥キョロキョロと街を歩いていたら、出会してしまった‥‥‥イン・ウードゥに‥‥信じられない!!



「よお‥‥
さっきは良いモン見せて貰ったぜナンシーちゃん?」


「中国読みしないで、それで貴方は私に何の用なんですか?」


私らしくない喧嘩口調、だってね向こうも口が悪いから、ついつられるというか、本当に敵意剥き出しというか‥
なんだろうこの心境複雑さ。



「そっちだって名前ですら呼んで無いだろうが、呼んで欲しければ呼ぶのが当たり前じゃねえのか?」


「‥‥‥‥‥‥‥
ウードゥ‥‥‥さん‥‥‥」


「覚えていてくれて嬉しいぜ、ナ‥‥サザンクロス?」


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